【実録】「年金代わり」が「毎月の仕送り」へ……友人S山が新築ワンルーム5部屋の罠に沈んだ話

不動産コラム

僕には、IT企業でバリバリ働くエリートサラリーマンの友人S山がいます。 そもそも僕はこのS山からの話を聞いて不動産事業に火がついたのです。S山は年収1,000万円超、銀行からの信頼も抜群。彼が、なぜ今、昼食のカップラーメンをすすりながら震えているのか。その理由は、数年前に手を出した「ワンルーム投資」にありました。

1. 営業マンの魔法の言葉「5部屋持てば将来は安泰です」

最初は節税対策として1部屋だけ始めたワンルーム投資。 そこへ、やり手の営業マンが甘い声でささやきました。 「S山さんの属性なら、あと4部屋いけます。合計5部屋持てば、定年後はローン完済で月々30万円以上の純利益。将来の老後2000万円問題なんて気にしなくていいですよ」
そんな勧誘だったらしいです。。。

友人S山は、エクセルの綺麗な右肩上がりのシミュレーションを信じ、気づけば合計5部屋、総額1億5,000万円近いローンを背負うことになったんです。

2. 「毎月1万5,000円のプラス」が消えた日

当初の計算では、1部屋あたり月3,000円、5部屋で毎月1万5,000円の黒字が出るはずでした。 ところが、購入からわずか3年。最初の更新時期に悪夢が始まります。

「S山さん、周辺の相場が下がっています。家賃を1部屋3,000円下げないと、次の入居者が決まりません」

5部屋あれば、3,000円の下落は月1万5,000円のマイナスを意味します。 この時点で、プラスだったキャッシュフローは一瞬で「プラマイゼロ」に転落しました。そもそも僕は月3,000円のキャッシュフローの為に物件は購入しません。ですが、S山の不動産投資の話を初めて聞いたときはとてもキラキラ輝いていたんです!!

3. 修繕費の波、そして「持ち出し5万円」の地獄

追い打ちをかけたのが、設備の故障です。 5部屋もあれば、数年に一度はどこかの部屋のエアコンや給湯器が悲鳴を上げます。 さらに、当初は安く設定されていた「管理費・修繕積立金」が、段階的値上げで1部屋につき数千円アップ。

気づけば、友人S山の口座からはローン返済と諸経費で、毎月合計5万円以上が「給料から没収」される事態に。

「俺……家族には『将来のためだ』と言って始めた手前、毎月5万円も家計から消えているなんて、死んでも言えないよ……」

4. 出口なし!「売れば2,000万円の損」という絶望

耐えかねた友人S山は、売却を検討しました。しかし、そこで突きつけられた現実はさらに残酷でした。

地方でも新しかったワンルームだったけど、査定額は、購入価格より大幅に下落。 5部屋売っても、銀行へのローンが合計2,000万円近く残ってしまうことが判明したのです。

売るに売れない、持ち続ければ毎月5万円が消えていく。 エリートサラリーマンだった友人S山の「将来の年金」は、今や彼をじわじわと苦しめる巨大な重りと化してしまいました。


ヒロリンゴの教訓:友人S山の敗因は「リスクの掛け算」を甘く見たこと

友人S山の失敗は、部屋数を増やすことでリスクも「5倍」になることを忘れていた点にあります。

  • 築浅ワンルーム家賃の賞味期限は短い: 最初の入居者が抜けた瞬間、現実に引き戻されます。
  • 「数千円の誤差」が致命傷になる: 1部屋なら誤差でも、5部屋と増えればそれは「生活を脅かす赤字」に化けます。
  • 業者の「35年シミュレーション」はただの予測: 35年間、何も壊れず家賃も下がらないなんて、そんな甘い話は不動産の世界にはありません。

不動産投資は、成功を積み上げるのも掛け算ですが、失敗のダメージも掛け算でやってきます。 「丸投げで安心」という言葉を信じて、リスクの計算を他人任せにした瞬間に勝負は決まっていました。

友人S山の背中を見て、僕は改めて心に誓いました。 「数字の裏の『泥臭い現実』を見ない投資家は、ただのカモになってしまう」と。あいつはとても頭がいいんです!なぜ、この計算がイメージできなかったのか。今となっては後のまつりですが、なんとか彼を手助けできないか現在検討中です。


タイトルとURLをコピーしました